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抗がん剤の新薬

目次
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抗がん剤の創薬は、がんという難治性疾患に対する治療法を開発するための重要な取り組みです。がん治療の進展は多くの患者の命を救うことにつながります。 ここでは、抗がん剤の新薬開発事例をいくつか紹介し、それぞれどのような非臨床試験が使われたのか解説します。

国立がん研究センターの開発事例

国立がん研究センターは、エーザイと共同で希少がんや難治性がんに対する治療薬の創出に取り組んでいます。このプロジェクトでは、がん患者由来の腫瘍組織を免疫不全マウスに移植したPDX(Patient-Derived Xenograft)モデルを使用し、がんゲノムデータを活用して新規抗がん剤候補品の開発を加速させています。これにより、非臨床研究から臨床研究までの一貫した創薬システムが確立されました。

非臨床試験の内容

国立がん研究センターでは、PDXライブラリーとがんゲノムデータを活用した非臨床試験が実施されています。この非臨床試験は、有効な治療法を迅速に見つけ出し、臨床試験への円滑な移行を目標にしています。具体的には、治療効果を正確かつ効率的に予測し、実際の治療効果や副作用、薬剤耐性の作用機序を明らかにすることを目指しています。

参照元:国立がん研究センター公式サイトhttps://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0514/index.html

東京薬科大学の開発事例

東京薬科大学の林教授は、ペプチド様分子をもとにがん治療薬プリナブリンを開発しました。プリナブリンは、既存の血管を壊し、がん細胞をアポトーシスに導くことでがん細胞を兵糧攻めにする新しいアプローチの薬剤です。現在、プリナブリンはアメリカと中国で臨床試験の最終段階を迎えており、近い将来新薬としての承認が期待されています。

非臨床試験の内容

林教授の研究室では、プリナブリンの化学構造を改変し、薬としての有効性を高める非臨床試験が行われました。これには、がん細胞に対する直接的な攻撃と、新生血管を壊す作用の検証が含まれます。また、米国の製薬企業で進められている臨床試験では、プリナブリンとタキサン化合物を組み合わせる新たながん治療法も検討されています。

参照元:東京薬科大学公式サイトhttps://cutting-edge-research.toyaku.ac.jp/research/127/

まとめ

抗がん剤の新薬開発は、がん治療の未来を切り開く重要な取り組みです。国立がん研究センターや東京薬科大学の事例から学ぶことで、非臨床試験の重要性とその具体的な方法を理解できます。非臨床試験で得られたデータは、新薬の臨床試験への橋渡しとして極めて重要です。これにより、より効果的な抗がん剤の開発が進み、多くの患者の治療に貢献できるでしょう。

【目的・課題別】
技術力・専門性・実績のある
非臨床試験の受託サービスおすすめ3選

新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。

薬効薬理試験
未知の病態モデルを再現し
探索から臨床志向の薬効評価
SMCラボラトリーズ
SMCラボラトリーズ
引用元:SMCラボラトリーズ公式サイト(https://www.smccro-lab.com/jp/)
  • 未知の病態モデルを特許技術のマウスで再現・作製。マウスを使用した新規病態モデル開発に取り組んでおり、なかでも肝臓病や線維化領域で実績を重ねる。
  • がん・炎症・代謝性疾患など、多様な疾患モデルを自社で確立・運用。探索段階から臨床志向の薬効評価に対応可能。評価系や投与方法などを個別に設計し、研究者とディスカッションしながら試験プランを構築可能
  • 小ロット対応や技術的な相談体制が整っており、ベンチャー・研究機関でも利用しやすい。
安全性試験
FIH申請に向けた安全性評価を
一括対応できる
labcorp
(ラボコープ・ドラッグデベロップメント)
labcorp
引用元:labcorp公式サイト(https://jp.labcorp.com/)
  • FDA・EMA・PMDAなどの国際規制に対応したGLP試験体制を完備。ICHガイドラインに準拠した信頼性保証付きのデータを取得可能で、各国当局への申請を見据えた試験設計が可能。
  • SEG I–III や 2年間毒性など、発がん性・生殖毒性を含む長期試験にも対応する高度な専門性を有する。
  • FIHを見据えた毒性・TK・安全性薬理の一括設計・受託が可能。初回ヒト投与までの非臨床試験全体を効率よく外注化できる。グローバル創薬を進める企業にとって、コスト・リスクを抑えながら進められる体制を整える。
薬物動態試験
高精度バイオアナリシスで
臨床を見据えたPK/PD評価
フェニックスバイオ
フェニックスバイオ
引用元:フェニックスバイオ公式サイト(https://phoenixbio.co.jp/)
  • ヒト肝細胞を有するPXBマウス®を用いた薬物動態・肝代謝評価に対応。ADMEや薬物相互作用など、ヒト外挿性の高いデータを取得可能。
  • LC-MS/MSを活用した高感度なバイオアナリシスにより、血中濃度測定・代謝物同定・定量バリデーションまで一貫対応
  • 薬物動態・肝毒性・安全性を包括的に評価できる統合試験体制を構築。中分子・核酸医薬などの特殊モダリティにも柔軟に対応可能。肝代謝が開発上のボトルネックとなる化合物や、臨床導出に向けた濃度評価が重要な案件でも、定量性と再現性に優れた試験系を提供