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網膜神経疾患の創薬

目次
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網膜神経疾患は視覚障害を引き起こす深刻な病態です。特に、緑内障や網膜色素変性などの疾患は進行性であり、効果的な治療法が限られています。これらの疾患に対する創薬は、視覚機能を回復させるために極めて重要です。過去の事例として、ヒトiPS細胞を用いた視神経細胞の作製技術が注目されています。この技術により、網膜神経疾患の治療薬開発が進展しました。

以下では、網膜神経疾患治療のための具体的な事例を紹介し、それぞれの非臨床試験の内容を解説します。

国立成育医療研究センターの開発事例

国立成育医療研究センターでは、ヒトiPS細胞から視神経細胞(網膜神経節細胞)を作製することに成功しました。これにより、重篤な視覚障害を引き起こす視神経疾患の原因や病態の解明、診断・治療の研究が大きく進展しました。さらに、薬物の効果を判定する技術も開発され、視神経疾患に対する新たな治療薬の開発が可能となりました。

非臨床試験の内容

国立成育医療研究センターでは、ヒトiPS細胞およびマウスのiPS細胞やES細胞から視神経細胞を作製し、視神経を障害する疾患の病態解明や診断技術の研究、治療のための創薬、視神経の移植や再生医療などの臨床研究、視神経の発生、神経線維成長における経路探索のメカニズム、視覚成立の分子メカニズムなど、網膜神経疾患の治療に大きく貢献します。

参照元:国立成育医療研究センター公式サイトhttps://www.ncchd.go.jp/press/2017/20171130.html

日本薬理学会の開発事例

日本薬理学会では、網膜変性疾患や視覚情報伝達をテーマに、メカニズムや病態の解明、新規治療法の研究が行われています。例えば、緑内障や網膜色素変性におけるmicroRNAの役割を解明し、これをターゲットとした神経保護薬の開発が進められています。また、ヒトiPS細胞由来視細胞シートの移植による網膜色素変性治療の臨床試験も始まっています。

非臨床試験の内容

日本薬理学会では、網膜色素変性モデルマウスを用いて、ヒトiPS細胞由来視細胞シートの移植による新規治療法の基礎的検討が行われています。これにより、視機能障害に対する治療戦略の可能性が示されました。

参照元:日本薬理学会公式サイト【PDF】https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/155/2/155_20002/_pdf/-char/ja

まとめ

網膜神経疾患は、有効な治療法が限られているため、創薬の重要性が高まっています。国立成育医療研究センターと日本薬理学会の事例からも分かるように、革新的な技術と研究が進められています。これらの取り組みにより、視神経疾患に対する新たな治療薬の開発が期待されています。製薬会社や研究機関が提供する薬効評価試験サービスを活用し、さらなる研究と開発が進むことを期待しています。

【目的・課題別】
技術力・専門性・実績のある
非臨床試験の受託サービスおすすめ3選

新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。

薬効薬理試験
未知の病態モデルを再現し
探索から臨床志向の薬効評価
SMCラボラトリーズ
SMCラボラトリーズ
引用元:SMCラボラトリーズ公式サイト(https://www.smccro-lab.com/jp/)
  • 未知の病態モデルを特許技術のマウスで再現・作製。マウスを使用した新規病態モデル開発に取り組んでおり、なかでも肝臓病や線維化領域で実績を重ねる。
  • がん・炎症・代謝性疾患など、多様な疾患モデルを自社で確立・運用。探索段階から臨床志向の薬効評価に対応可能。評価系や投与方法などを個別に設計し、研究者とディスカッションしながら試験プランを構築可能
  • 小ロット対応や技術的な相談体制が整っており、ベンチャー・研究機関でも利用しやすい。
安全性試験
FIH申請に向けた安全性評価を
一括対応できる
labcorp
(ラボコープ・ドラッグデベロップメント)
labcorp
引用元:labcorp公式サイト(https://jp.labcorp.com/)
  • FDA・EMA・PMDAなどの国際規制に対応したGLP試験体制を完備。ICHガイドラインに準拠した信頼性保証付きのデータを取得可能で、各国当局への申請を見据えた試験設計が可能。
  • SEG I–III や 2年間毒性など、発がん性・生殖毒性を含む長期試験にも対応する高度な専門性を有する。
  • FIHを見据えた毒性・TK・安全性薬理の一括設計・受託が可能。初回ヒト投与までの非臨床試験全体を効率よく外注化できる。グローバル創薬を進める企業にとって、コスト・リスクを抑えながら進められる体制を整える。
薬物動態試験
高精度バイオアナリシスで
臨床を見据えたPK/PD評価
フェニックスバイオ
フェニックスバイオ
引用元:フェニックスバイオ公式サイト(https://phoenixbio.co.jp/)
  • ヒト肝細胞を有するPXBマウス®を用いた薬物動態・肝代謝評価に対応。ADMEや薬物相互作用など、ヒト外挿性の高いデータを取得可能。
  • LC-MS/MSを活用した高感度なバイオアナリシスにより、血中濃度測定・代謝物同定・定量バリデーションまで一貫対応
  • 薬物動態・肝毒性・安全性を包括的に評価できる統合試験体制を構築。中分子・核酸医薬などの特殊モダリティにも柔軟に対応可能。肝代謝が開発上のボトルネックとなる化合物や、臨床導出に向けた濃度評価が重要な案件でも、定量性と再現性に優れた試験系を提供