創薬研究では、化合物スクリーニング(探索段階)から承認までの成功率は3万分の1などといわれています。1991年から2000年の期間において、有効性が原因となりドロップ(差し戻し)される割合は3割となっているため、高い技術力を持った専門性の高い受託会社に依頼することが、上記のような現状を打破する鍵といえます。
創薬事業においては、薬効薬理試験が非常に重要といえます。これは、期待された治療効果が認められないといった「有効性」が原因となってドロップ(差し戻し)される割合が約30%となっており、2000年台に入ってからのドロップ原因の中で1位となっているためです。
創薬段階においては、「トランスレーショナル・ギャップ」をなくすための戦略的なアプローチとしてCROを選択することが重要です。ここでは、CROの選び方のポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
多くの疾患は単一の遺伝子や分子で成り立つものではありません。そのため、特にMASH/NASHや線維化、がんなど複雑な慢性疾患の場合、複数の因子が絡み合う表現型(病態の見た目・挙動)がヒトの患者とどの程度一致しているか、という点が重要になります。
疾患特異的なバイオマーカーの上下のみではなく、「病理組織学的な特徴や臨床の診断基準とパラレルに評価可能なモデルを持っているか」がポイントです。またCRO側が、遺伝子発現プロファイルやシグナル伝達経路においてヒトの臨床患者データとの間で高い相関性を示す、という科学的なエビデンスを提示できるかも受託会社選びでチェックしておきたい点といえます。
候補化合物が「ヒト固有の受容体や分子」をターゲットにしたケースでは、たとえ精緻な病態モデル動物でも、通常の野生型動物では薬効を正しく評価できないという面があります。
以上から、薬効・薬理試験受託会社がヒト化モデルを開発・維持しているかに加え、検証データが豊富にあるか確認します。また動物モデルの限界を補完するため「ヒト患者由来細胞(PDC)」や「ヒト3Dオルガノイド」を用いたin vitro(試験管内)の薬効評価系をシームレスに組み合わせた試験デザインの提案が行えるかもポイントです。
病理診断医による目視のスコアリングのみに頼っている場合、薬効の微細なグラデーション(変化)を見落とすリスクが考えられます。PMDAやFDAなどの規制当局を納得させるには、客観的かつ厳密な数値化が必要です。
そのため、AIや画像解析ソフトを活用したデジタルパソロジーの導入によって、観察者の主観を排除した定量データの取得が可能かという点が選定ポイントとして挙げられます。また、薬物の投与量と組織内の標的占有率(PD)、実際の薬効の相関関係(=容量反応曲線)について、ばらつきの少ないクリアなグラフとして出力が可能な実験技術やノウハウを保有しているかも確認します。
いわれた通りのプロトコルにてマウスへ投与を行うのみではなく、将来行う予定の臨床試験から逆算し、非臨床の試験デザインを最適化可能なコンサルティング力を持っているかどうかも優れたCROを見極めるポイントです。
ここでは、臨床実験における実際の投与経路や投与頻度を考慮し、動物モデルでのキネティクスに合わせた妥当な試験デザインに関し、一緒にディスカッションできるかも重要です。
また探索段階のスクリーニング試験から、臨床入りを見据えた厳密な効力試験まで、各ステージに応じたポジティブコントロールの選定や適切なサンプルサイズの計算について、科学に基づき提案してくれるかも大切です。
ここではeffical編集チームが独自に調査をした受託サービスの中から、多くの病態モデルと試験事例を有する会社を、新薬の対象領域別に分類しました。開発中の新薬に近い領域から、ぜひおすすめの会社情報をチェックしてみてください。

こんな人におすすめ
がん領域の治療薬開発ツールとして浸透するSTAM™モデルですが、こと肝臓がんにおいては免疫チェックポイント阻害剤があまり効果を成さないことにより、開発が遅れていると言われています。
そこでSMCラボラトリーズは、がん免疫療法の手法を用い、薬効評価ができる新モデルを開発。これにより、これまで試験が難しかった肝臓領域でも高い精度の評価ができるようになりました。
医薬品を開発するにあたり、ヒトの病態を表現できるモデルは必須。しかしモデルがまだ無い疾病も多く、すでにあったとしても現在の臨床に堪えられない課題を抱えたモデルも多く存在します。
SMCラボラトリーズでは、評価できないモデルの課題を洗い出し、高い技術力で課題を克服した病態を再リリースすることで、この問題を解決。調べても世の中にないなら、ゼロから新規開発も可能です。
SMCラボラトリーズでは、独自開発の病態モデル「STAM™マウス」をはじめ、炎症や線維化、代謝、がん免疫などに関連した疾患モデルマウス・25種をラインナップ。
ここではMASH/NASH研究で利用されるSTAM™モデルと、腎線維化モデルとして広く用いられているUUOモデルをご紹介しています。
ヒトMASH/NASH-HCCと同様な病態進行を示すモデルです。後期2型糖尿病を模し、脂肪肝からNASH、線維化、そして肝がんへと病態が進行します。
短期間で病態が進行し、20週齢時で100%肝がんを発症する特徴から、これまでに70件以上の論文で研究内容が公表されています。
腎線維化モデルとして使用されることの多いUUOモデルには、間質性線維症・尿細管萎縮・炎症細胞浸潤などの慢性腎疾患の病理的特徴が認められます。
このモデルは試験期間がたった2週間なので、腎臓の線維化に対する抗線維化薬のin vivoスクリーニング試験に適しています。
世界中で1,000を超えるクライアント※にサービスを提供しているSMCラボラトリーズ。線維化をターゲットとする非臨床試験でのSTAM™マウスの提供を始め、炎症・代謝・がん免疫等の多方面で豊富な実績を誇ります。ここでは薬効薬理試験に無事フェーズ2へと移行した事例をご紹介しています。
| 会社名 | SMCラボラトリーズ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都⼤⽥区南蒲⽥2-16-1 テクノポートカマタセンタービル |
| 電話番号 | 03-6715-9101 |
| 公式サイト | https://www.smccro-lab.com/jp/ |

こんな人におすすめ
ウサギやラットを使った眼病創薬に特化し、多種多様な病態モデルを保有しているのが強みです。特に緑内障、網膜関連試験で多くのモデルを開発しており、信憑性の高いデータを得られる可能性が高いのが特徴です。
長年の実績によりデータ抽出からレポーティングまでのスピードを向上させており、創薬試行回数を増やすことが可能。専門のスタッフによる対応力も自慢で、試験に関する相談や依頼にも素早く回答してもらえます。
高眼圧・網膜・ドライアイなどの眼科領域に対する評価を幅広く受託している会社です。イヌ・ウサギ・ラットなど多様な動物で試験ができるので、有用性を見出しやすいのが強みと言えるでしょう。
高眼圧状態を継続的に維持できるモデルで、慢性緑内障や眼圧下降薬、緑内障視神経症治療薬、網膜症治療薬などの評価に適用しています。
イヌの角膜に一定量の風を強制的に当てることで、角膜を乾燥させます。乾燥性ドライアイを惹起させることで、角膜上皮障害性ドライアイ治療薬に適用するモデルです。
公式サイトにケーススタディの記載がありませんでした。
| 会社名 | 株式会社薬物安全性試験センター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区高田馬場1-31-8 |
| 電話番号 | 0493-54-3239 |
| 公式サイト | https://www.dstc.jp/ |

こんな人におすすめ
摂餌量や体重、血糖値や脂質パラメーターなどを指標とするin vivo薬効薬理試験、培養細胞を用いたin vitro薬効薬理といったさまざまな試験を実施でき、得意分野である代謝性疾患系の試験を効率よく実施できるのが強みです。
ボゾリサーチセンターでは毒性病理学者などの専門家を有しており、豊富な経験と実績から有益なデータ抽出のための試験を行うことができます。いずれも信頼性基準対応試験として実施でき、創薬研究経験者による試験系の提案も可能です。
代謝性疾患領域では、生活習慣病の治療薬を開発するために必要な試験・評価を実施しています。正常動物・疾患モデル動物を用いたin vivo薬効薬理試験が提供メニューの中心です。
公式サイトにモデル詳細の記載がありませんでした。
公式サイトにモデル詳細の記載がありませんでした。
公式サイトにケーススタディの記載がありませんでした。
| 会社名 | B&Iホールディングス株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿3-9-12-1201 |
| 電話番号 | 03-5453-8120 |
| 公式サイト | https://www.bozo.co.jp/ |

こんな人におすすめ
アルツハイマーやうつ病をはじめ、疼痛・記憶障害・てんかんといった中枢神経系の病気を発症するモデルを多く有しています。うつ病モデルひとつとっても、複数のモデルを保有しているので、細かい病様に合わせた薬効薬理試験が可能です。
メディフォードはコンベンショナル動物や遺伝子改変動物、ミュータント動物を用いた試験の経験が豊富で、なかでも手術を要する薬効試験を得意とする会社です。PCR、フローサイトメーター、各種細胞を用いたin vitro薬効試験についても知見が多く、有用なデータを得られる可能性があります。
メディフォードでは、薬効薬理試験に使うさまざまな病態モデルを応用した試験を受託しています。新旧を問わず、中枢神経系を中心に、疼痛、感染症、循環器系などのin vitro薬効試験といった幅広い分野の試験を実施しています。
リポポリサッカライド(LPS)を投与することでうつ病モデル(マウス)を作製します。強制水泳やテールサスペンションの無動時間を指標として、薬の抗うつ様効果を評価する試験です。
中大脳動脈を閉塞したラットの脳虚血モデル(一過性MCA閉塞)を用い、脳梗塞巣体積・神経症状・ロータロッド試験を指標として薬効を検討します。豊富な経験を持ち、安定したモデル作製が可能です。
公式サイトにケーススタディの記載がありませんでした。
| 会社名 | メディフォード株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都板橋区清⽔町 36-1 |
| 電話番号 | 03-6905-5860 |
| 公式サイト | https://www.mediford.com/ |

こんな人におすすめ
国民病とも言われるアトピー性皮膚炎に対し、ヒトと同様の症状を発症するマウスを用いた試験が可能です。完全には解明されていないアトピーに抗する新薬開発に期待できます。
標準操作手順書と計画書に従った試験が進められているかを調査する「信頼性保証体制」だけでなく、試験設計や試験結果の解釈を所内ピアレビューシステムにて担保し、品質向上にも努めています。
安評センターではアルツハイマーなど精神疾患系とアトピー性皮膚炎に特化した薬効薬理試験を行っており、特にアトピー性皮膚炎では評価の高いモデルを有しています。
このマウスは8週齢以降全てのマウスで、アトピー性皮膚炎を自然発症することが示されています。このモデルを用い、病理組織学的検査、血液生化学検査、ELISA測定、免疫染色、遺伝子解析など、解析を含む非臨床試験受託を提供可能です。
尾懸垂試験や強制遊泳試験において、無動化時間が長期化するうつ病様の表現型を示します。うつ病をはじめとする精神・神経疾患に役立てることができます。
公式サイトにケーススタディの記載がありませんでした。
| 会社名 | 株式会社安評センター |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県磐田市塩新田582-2 |
| 電話番号 | 0538-58-1266 |
| 公式サイト | https://www.anpyo.co.jp/ |
新薬の有効性を評価する非臨床の薬効薬理試験において、ヒトの病態をいかに正確に再現したモデルを選択するかが重要です。本項目では、さまざまな疾患領域における代表的な疾患モデルや動物モデルをピックアップしてご紹介します。
慢性腎疾患(CKD)モデルとは、人間の慢性的な腎機能低下やそれに伴う合併症(線維化や腎性貧血など)を、マウスやラットなどの実験動物を用いて人工的に再現した病態モデルのことです。開発中の化合物が「本当に腎機能の低下を抑えるのか」「尿タンパクを減少させるのか」「腎線維化の進行を防げるのか」といったProof of Concept(概念実証)を取得するために不可欠な試験系となります。
肺機能測定は、呼吸器疾患の創薬において薬物の有効性を定量的に評価する不可欠な手法です。喘息、COPD、肺線維症などの疾患モデルに応じ、気道抵抗(Raw)や動的コンプライアンス(Cdyn)などの指標を適切に選択することが重要。測定精度の向上には、麻酔管理や挿管手技の安定化に加え、臨床への外挿性を高めるためのP-V曲線解析や非侵襲的な経時的評価の導入が鍵となります。これらを統合することで、臨床予測性の高い質の高いデータの創出が可能となります。
がん免疫療法における創薬において、がん免疫アッセイは不可欠です。従来用いられてきた手法に加えて、近年では腫瘍微小環境を再現する患者由来のオルガノイド(PDO)や、AIを用いた画像解析などさまざまな最新技術が導入されており、薬効予測精度が向上しています。しかし、高度な評価系を構築するには高い技術が必要なことに加えて、コスト面での壁が高いという課題があることから、腫瘍免疫学に特化したCROに委託することが創薬を加速する鍵といえます。
ここではeffical編集チームが独自に調査をした受託サービスの中から、多くの病態モデルと試験事例を有する会社を、新薬の対象領域別に分類しました。開発中の新薬に近い領域から、ぜひおすすめの会社情報をチェックしてみてください。