新薬開発において、動物モデルを用いた非臨床試験は非常に重要なステップです。非臨床試験において、動物によって発現しやすい病気が異なり、扱いやすさや管理しやすさも選定基準に影響します。さらに、動物実験は様々な規制のもとで行われる必要があります。
この記事では、動物実験の重要性や動物種の選定基準、さらに生き物を実験台とするにあたり、実験環境を取り巻く規制や倫理について紹介します。
新薬の治験において、非臨床モデルと動物種の適切な使用は、人間への予測データを得るための基盤となります。特に生体由来の医薬品の試験では、この点が特に重要です。そのため、科学を中心とした戦略に基づき、最も予測に役立つ検査システムと動物種を選択することに多大な労力が注がれます。
動物種の選定は、その動物種と人間との薬力学、薬物動態、生理学、および病態生理学の類似性に基づいて行われます。例えば、ラットは骨粗鬆症や炎症性疾患、糖尿病などの研究に、マウスは癌や一部の遺伝病の研究に用いられます。これにより、非臨床試験で得られたデータをもとに、初回用量の算出やその後の治療量の予測が可能となります。
動物種の選定においては、実施可能性も重要な要素です。動物の入手の容易さや標準的な研究室環境での扱いやすさが考慮され、実験が効率的かつ倫理的に行われることが保証されます。
動物実験は、人間の健康や福祉に寄与するための重要な手段ですが、その過程では動物の福祉も尊重されなければなりません。日本では「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づき、実験動物の扱いに関する厳格な基準が設けられています。
動物実験の実施に際して、以下の3Rの原則を遵守することを求めています。
研究者は動物実験を行う際に、その必要性と倫理的妥当性を慎重に検討しなければなりません。倫理委員会の審査を受けることが一般的であり、実験のデザインや実施方法についても厳格な審査が行われます。これにより、動物に対する配慮を最大限にしつつ、科学的に有用なデータを得ることが求められます。
新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。