アトピー性皮膚炎(AD)は、慢性的な炎症と強いかゆみを特徴とする皮膚疾患で、患者の生活の質を大きく損ないます。ADの治療法開発は非常に重要であり、過去には多くの創薬事例があります。たとえば、抗体薬や小分子化合物を用いた治療法が開発されており、それぞれがADの症状を効果的に改善しています。これらの創薬には、非臨床試験が欠かせません。
京都大学大学院医学研究科の椛島 健治氏は、ヤヌスキナーゼ(JAK)という化合物に着目しました。JAK阻害薬は、もともと関節リウマチの内服薬として研究されていましたが、皮膚のバリア機能を高める効果があることが分かりました。しかし、内服薬としては副作用が懸念されたため、外用薬として開発が進められました。結果、非ステロイド性の外用薬「デルゴシチニブ(コレクチム軟膏)」が完成しました。
この開発では、マウスモデルを使用した実験が行われました。JAK阻害薬を塗布したマウスは、皮膚のバリア機能が回復し、アトピー性皮膚炎の症状も改善しました。この動物実験の結果により新薬開発が加速し、抗炎症作用に加えて、かゆみを抑える作用による皮疹改善作用も確認できました。
中外製薬は、ネモリズマブの独占的実施権を導入しているガルデルマ社との共同開発で、第III相臨床試験(ARCADIA 1試験、ARCADIA 2試験、OLYMPIA 1試験)で良好な結果を示しました。これらの試験では、アトピー性皮膚炎患者の皮膚病変とかゆみが有意に減少させ、そう痒改善について早期に臨床的に意味のある結果が発表されました。
ネモリズマブの開発では、第III相臨床試験の前に、さまざまな非臨床試験が行われました。これにより、薬剤の有効性が確認されました。
第III相臨床試験のOLYMPIA 1試験では、ネモリズマブを単剤投与した結果、そう痒および皮膚病変がプラセボに比べて有意に減少したことが示されました。さらに、投与16週後のプラセボと比較したところ、2つの主要評価項目に臨床的かつ統計学的に効果が確認され、第III相臨床試験のOLYMPIA 2試験の結果とは独立に、確認されました。
アトピー性皮膚炎の治療には、新薬開発が不可欠です。京都大学大学院のJAK阻害薬「デルゴシチニブ」や、中外製薬のネモリズマブなど、多くの事例が成功を収めています。これらの創薬には、非臨床試験が重要な役割を果たしており、動物モデルを使った実験などが効果的に活用されています。新薬開発のプロセスを通じて、より効果的な治療法が提供されることが期待されています。
新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。