日本での非臨床試験は、主に「薬効薬理試験」、「安全性試験」、「薬物動態試験」の3種類に分類されます。
薬効薬理試験は薬の意図された治療効果を示すために重要で、効果と作用機序を特定するサブテストが含まれます。安全性試験は薬の潜在的な副作用と毒性を評価し、安全な投与量レベルを決定します。薬物動態試験は薬の吸収、分布、代謝、排泄を調査し、薬の体内での挙動を理解します。これらの試験は、新薬開発と規制承認に不可欠です。
新薬開発において、動物モデルを用いた非臨床試験は非常に重要です。動物種は病気の発現や管理のしやすさを基準に選ばれます。さらに、動物実験は様々な規制のもとで行われ、実験環境や倫理についても配慮が必要です。これにより、新薬の安全性と有効性を高い精度で評価できます。例えば、マウスやラットは多くの非臨床試験で使用され、その取り扱いやすさが選定理由となっています。
候補化合物は、医薬品開発の初期段階で特定される化合物です。化合物ライブラリーから病気に関連するターゲットに効果があると予想される化合物を見つけ出し、詳細な評価と改良を経て最終的な医薬品候補が選定されます。大量の化合物から有効なものを見つけるプロセスは、新薬開発の成功に直結します。この評価プロセスでは、効率と精度が求められます。
病態モデルは、特定の病気や病態を再現するために開発された動物モデルです。非臨床試験で新薬の薬効を評価する際、病態モデルを使用することで、実際の患者と同様の症状や病状を持つ動物を用いた実験が可能になります。このようなモデルを利用することで、新薬の有効性をより現実的に評価できるため、治療効果の予測精度が向上します。
新薬開発には複雑なプロセスが含まれます。臨床試験は3つのフェーズに分かれ、厳しい基準に従って医療機関で実施されます。被験者の同意を得て行われるこれらの試験は、新薬の有効性と安全性を確認する重要なステップです。一般的に、薬の候補物質の発見から新薬承認までには10年以上の期間が必要です。このプロセスは新薬の品質を保証し、患者の安全を守るために不可欠です。
GCPは、非臨床試験の後に行う臨床試験の実施基準を定めたものです。倫理的で科学的に適正な臨床試験を行うために設けられています。治験の実施手順や安全確保、文書管理などが規定されています。GCPに準拠することで、臨床試験の有用性を確保することが可能です。
GLPは、非臨床試験の信頼性確保のために定められている基準です。正確性・網羅性・保存性の観点から試験施設の設備・機器管理、組織体制、記録保管について規定されています。医薬品のグローバル開発やスムーズな審査のために重要なポイントを確認しておきましょう。
新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。