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BCR-ABL阻害薬

BCR-ABL阻害薬とは

BCR-ABL阻害薬とは、BCR-ABL融合遺伝子が産生する異常チロシンキナーゼを阻害することで、慢性骨髄性白血病(CML)や一部の急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の腫瘍細胞増殖を抑制する分子標的薬です。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を代表する薬剤クラスの一つであり、がん細胞を選択的に標的とする治療法として広く用いられています。また、分子標的治療の成功例として知られ、現在の創薬研究やがん治療の発展においても重要な位置付けを占めています。

BCR-ABL阻害薬の代表例

イマチニブ

イマチニブは第一世代BCR-ABL阻害薬です。BCR-ABLチロシンキナーゼ活性を阻害することで、白血病細胞の増殖を抑制します。慢性骨髄性白血病(CML)の治療成績を大きく向上させた代表的な分子標的薬であり、CML治療の標準的な治療法の確立に大きく貢献した薬剤として知られています。

ダサチニブ

ダサチニブは第二世代BCR-ABL阻害薬です。BCR-ABLチロシンキナーゼに加えてSRCファミリーキナーゼにも作用します。イマチニブ耐性例にも有効性を示すことが確認されており、慢性骨髄性白血病(CML)や一部のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の治療に用いられています。

ニロチニブ

ニロチニブは第二世代BCR-ABL阻害薬です。BCR-ABLへの親和性を高めることで、より強力な阻害活性を発揮します。イマチニブ耐性例の一部にも有効性が認められており、慢性骨髄性白血病(CML)の治療に広く用いられるほか、深い分子学的奏効を目指す治療選択肢の一つとなっています。

BCR-ABL阻害薬開発で重要な課題

耐性変異の克服

BCR-ABL阻害薬の開発では、T315I変異をはじめとするABLキナーゼドメイン変異による薬剤耐性の克服が重要な課題です。この課題に対応するため、第二世代・第三世代BCR-ABL阻害薬が開発されてきました。また、耐性細胞株や患者由来モデルを用いた非臨床評価は、新たな耐性機序の解明や次世代薬剤の有効性を検証するうえで重要な役割を担っています。

患者ごとに異なる耐性機序への対応

BCR-ABL阻害薬では、患者ごとに耐性変異や病態が異なるため、最適な治療選択が重要です。特にT315Iなど変異ごとに薬剤感受性が異なることから、患者由来細胞やPDXなどの患者由来モデル、高精度バイオマーカーや遺伝子解析を活用した評価が求められています。個別化医療につながる評価戦略として重要です。

ヒトでの薬効をどう予測するか

ヒトでの薬効を予測するには、細胞株だけでは臨床薬効を十分に予測できないため、ヒト外挿性の高い病態モデルが重要です。また、骨髄や免疫系への影響、心血管系などのオンターゲット毒性にも配慮し、薬効評価に加えて薬物動態や安全性評価を組み合わせた総合的な検証を行うことが求められます。

BCR-ABL阻害薬に必要な非臨床評価

耐性機構を再現できる評価系を構築する

T315Iなどの耐性変異はBCR-ABL阻害薬開発における大きな課題です。通常の細胞株だけでは臨床での耐性を十分に再現できない場合があります。そのため、耐性細胞株、患者由来細胞、PDXモデルを組み合わせ、耐性機構や次世代阻害薬の有効性を臨床に近い条件で評価することが重要です。開発段階や評価目的に応じた病態モデルの選択が求められます。

標的への作用を多面的に評価する

「BCR-ABLを阻害した」ことと「十分な薬効が得られた」ことは同義ではありません。Target Engagementにより標的への作用を確認し、分子バイオマーカーでシグナル抑制や薬効発現を評価します。薬効薬理試験による腫瘍細胞増殖抑制の評価を組み合わせることで、作用機序をより正確に把握できます。

薬物動態と薬効を組み合わせて評価する

薬効が十分に得られない原因は、標的への曝露不足である可能性もあります。そのため、PK評価により吸収・分布・代謝・排泄(ADME)を把握し、組織分布や薬物濃度から十分な曝露が得られているか確認します。薬物動態と薬効評価を組み合わせることで、薬効不足の原因を適切に切り分けることができます。

安全性を早期から評価する

BCR-ABL阻害薬は長期投与を前提とするため、安全性評価は極めて重要です。開発初期から毒性リスクを把握することで後期開発での失敗リスクを低減できるため、hERG試験などによる心血管系への影響評価を実施します。必要に応じて免疫毒性などの安全性評価を組み合わせ、開発段階や薬剤特性に応じた適切な安全性試験を選択することが重要です。

非臨床試験の委託先を選ぶポイント

BCR-ABL阻害薬の非臨床試験では、薬効評価から耐性モデルを用いた評価、薬物動態試験、安全性試験まで一貫して実施できる体制が重要です。特に次世代阻害薬の開発では、耐性機構や病態モデルに精通したCROを選ぶことで開発効率や成功率の向上が期待できます。委託先は技術力・専門性・実績を総合的に比較して選定しましょう。

【目的・課題別】
技術力・専門性・実績のある
非臨床試験の受託サービスおすすめ3選

新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。

薬効薬理試験
未知の病態モデルを再現し
探索から臨床志向の薬効評価
SMCラボラトリーズ
SMCラボラトリーズ
引用元:SMCラボラトリーズ公式サイト(https://www.smccro-lab.com/jp/)
  • 未知の病態モデルを特許技術のマウスで再現・作製。マウスを使用した新規病態モデル開発に取り組んでおり、なかでも肝臓病や線維化領域で実績を重ねる。
  • がん・炎症・代謝性疾患など、多様な疾患モデルを自社で確立・運用。探索段階から臨床志向の薬効評価に対応可能。評価系や投与方法などを個別に設計し、研究者とディスカッションしながら試験プランを構築可能
  • 小ロット対応や技術的な相談体制が整っており、ベンチャー・研究機関でも利用しやすい。
安全性試験
FIH申請に向けた安全性評価を
一括対応できる
labcorp
(ラボコープ・ドラッグデベロップメント)
labcorp
引用元:labcorp公式サイト(https://jp.labcorp.com/)
  • FDA・EMA・PMDAなどの国際規制に対応したGLP試験体制を完備。ICHガイドラインに準拠した信頼性保証付きのデータを取得可能で、各国当局への申請を見据えた試験設計が可能。
  • SEG I–III や 2年間毒性など、発がん性・生殖毒性を含む長期試験にも対応する高度な専門性を有する。
  • FIHを見据えた毒性・TK・安全性薬理の一括設計・受託が可能。初回ヒト投与までの非臨床試験全体を効率よく外注化できる。グローバル創薬を進める企業にとって、コスト・リスクを抑えながら進められる体制を整える。
薬物動態試験
高精度バイオアナリシスで
臨床を見据えたPK/PD評価
フェニックスバイオ
フェニックスバイオ
引用元:フェニックスバイオ公式サイト(https://phoenixbio.co.jp/)
  • ヒト肝細胞を有するPXBマウス®を用いた薬物動態・肝代謝評価に対応。ADMEや薬物相互作用など、ヒト外挿性の高いデータを取得可能。
  • LC-MS/MSを活用した高感度なバイオアナリシスにより、血中濃度測定・代謝物同定・定量バリデーションまで一貫対応
  • 薬物動態・肝毒性・安全性を包括的に評価できる統合試験体制を構築。中分子・核酸医薬などの特殊モダリティにも柔軟に対応可能。肝代謝が開発上のボトルネックとなる化合物や、臨床導出に向けた濃度評価が重要な案件でも、定量性と再現性に優れた試験系を提供
領域別
疾患動物モデル・
レビュー一覧
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