海外のCROや病態モデルを利用する場合、会社の所在地だけでは、実際の試験実施国や契約条件、言語、国際輸送、規制対応まで判断できません。また、「モデルを保有している」という情報だけでは、そのモデルを通常の受託試験として利用できるかは分かりません。
ここでは、国際委託に関する実務条件と、各社のモデル提供形態を項目別に整理しています。候補となる受託先を比較する際の確認項目としてご活用ください。
営業拠点や日本法人の所在地と、実際に非臨床試験を行う施設の所在地を分けて確認します。
日本語で相談できることと、日本法人を契約主体にできることは分けて確認します。
独自モデル、定常実施、過去の実績、提携モデル、カスタム構築を区別します。
公開情報だけでは確認できない項目は「要確認」とし、非対応とは判定していません。
海外CROへの委託では、実際の試験実施国、日本語窓口、契約主体、報告書の言語、国際輸送、各国規制への対応範囲を分けて確認する必要があります。
表は横にスクロールしてご覧いただけます。
| 企業 | 企業種別 | 本社所在地 | 実際の試験実施国・拠点 | 日本語窓口の有無 | 国内法人との契約可否 | 報告書の言語 | 国際輸送への対応 | PMDA・FDA・EMA等への対応 | 確認ソース |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Labcorp | Global CRO / laboratory services | 米国 | 米国/中国・上海/英国・ドイツ等 | あり(日本語サイト・日本拠点情報あり) | 要確認 | 要確認 | グローバル物流体制あり。個別条件は要確認 | グローバル非臨床・申請支援あり。PMDA対応の個別範囲は要確認 | 確認ソース |
| Charles River Laboratories | Global CRO / research models | 米国 | 米国、カナダ、中国、欧州、豪州等 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | グローバル対応。案件別条件は要確認 | 非臨床開発・規制対応あり。地域別の対応範囲は要確認 | 確認ソース |
| Crown Bioscience | Oncology / metabolic disease CRO | グローバル(日本法人あり) | アジア・欧州・米国の研究施設 | あり | 日本法人あり。契約主体は案件別確認 | 要確認 | 国際案件対応。輸送条件は要確認 | 創薬・非臨床支援あり。規制申請支援の範囲は要確認 | 企業情報を見る |
| WuXi AppTec | Global CRO / CDMO | 中国 | 中国を中心とする海外非臨床拠点 | あり(日本法人が窓口) | 案件別確認 | 要確認 | 国際案件対応。輸送条件は案件別確認 | IND-enablingを含む統合非臨床支援 | 企業情報を見る |
| Inotiv | Global CRO | 米国 | 米国・欧州等。詳細は要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | IND/NDA/BLA等を含む支援実績を掲載 | 企業情報を見る |
| Eurofins Discovery | Discovery / preclinical CRO | グローバル | 複数国の自社ラボ。サービス別に確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 創薬初期から前臨床まで支援。規制対応範囲は要確認 | 企業情報を見る |
| Evotec | Global discovery / preclinical CRO | ドイツ・ハンブルク | 欧州・米国等。サービス別に確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 創薬から前臨床まで支援。申請支援範囲は要確認 | 企業情報を見る |
| Gubra | Specialty preclinical CRO / biotech | デンマーク | デンマーク中心の自社施設 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 代謝・線維化領域の前臨床支援 | 企業情報を見る |
| Biocytogen | Model provider / CRO / biotech | 中国・北京 | 中国中心。海外実施地は案件別確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | モデル・試料の国際供給あり。条件は要確認 | 創薬初期からINDまでの支援を掲示 | 企業情報を見る |
| SMC Laboratories | Specialty efficacy CRO | 日本・東京 | 日本(LA Officeは窓口) | あり | 国内法人との契約可 | 日本語・英語は案件別確認 | 海外顧客案件・国際輸送対応あり。条件は要確認 | 薬効薬理中心。規制申請支援の範囲は要確認 | 確認ソース |
「実際の試験実施国」は、営業所ではなく、非臨床・薬理・毒性・DMPK等を実施する施設の所在地を優先して整理しています。
病態モデルの利用方法は、各社が独自に開発したモデルを使う場合だけではありません。通常の受託メニューとして実施している場合、提携先のモデルを利用する場合、案件ごとに新しく構築する場合などがあります。
自社で開発・ブランド化・権利化したモデルです。
標準手順などがあり、通常案件として受託可能なモデルです。
過去の実績はありますが、現在も常時提供しているとは限りません。
外部モデル、ライセンス、提携先の技術などを利用します。
標的や病態条件に応じて、モデルを新規構築または最適化します。
表は横にスクロールしてご覧いただけます。
| 企業 | 自社独自モデル | 自社施設で定常的に実施 | 過去に実施経験 | ライセンス・提携先を通じて実施 | 案件ごとにカスタム構築 | 比較時の注意 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Labcorp | 要確認 | 公開情報あり | 要確認 | 要確認 | 案件別に要確認 | 日本拠点と実際の試験拠点を分けて確認します。 |
| Charles River Laboratories | 要確認 | 公開情報あり | 公開情報・実績あり | 公開情報あり/要確認 | カスタム対応あり/詳細要確認 | モデル供給事業と受託試験を分けて確認します。 |
| Crown Bioscience | あり(HuGEMM™・HuCELL™等) | あり | あり | あり/個別確認 | あり/個別確認 | 独自モデル、ヒト化モデル、PDX等をモデル単位で確認します。 |
| WuXi AppTec | 要確認 | あり | あり | 要確認 | あり/要確認 | 日本法人の窓口機能と実際の試験施設を分けて確認します。 |
| Inotiv | 要確認 | 公開情報あり | 公開情報・実績あり | 要確認 | 要確認 | 毒性、DMPK、薬効を施設単位で確認すると精度が高まります。 |
| Eurofins Discovery | 要確認 | 公開情報あり | 公開情報・実績あり | 要確認 | 要確認 | in vitroアッセイとin vivo病態モデルを分けて確認します。 |
| Evotec | 要確認 | 公開情報あり | 公開情報・実績あり | 要確認 | カスタム対応あり/詳細要確認 | 統合創薬プログラム型の受託かどうかも分けて確認します。 |
| Gubra | あり(独自病態モデル) | あり | あり | 要確認 | 要確認 | MASH、肥満、糖尿病、線維化等に特化しています。 |
| Biocytogen | あり(BioMice等) | あり | あり | ライセンス・提携型あり | カスタム遺伝子改変等あり | モデル販売と、そのモデルを使用する受託試験を分けて確認します。 |
| SMC Laboratories | あり(STAM™・STAM™-HCC/IO+等) | あり | あり | あり(PXB-mouse®等) | あり(Made-to-Order Model) | 自社独自、提携、カスタム構築を明確に分けて確認できます。 |
あり 比較的明確 公開情報あり 情報の粒度に差あり 要確認 公開情報だけでは断定しない
本ページは公開情報をもとに比較項目を整理したものです。「要確認」や未掲載の項目は、各社が非対応であることを意味しません。試験内容、実施施設、契約条件、言語、輸送、規制対応、モデルの提供状況は変更される場合があります。具体的な委託条件は、各社の公式情報または問い合わせ窓口でご確認ください。
新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。