MASH(代謝異常関連脂肪肝炎)とは、代謝異常により肝臓に脂肪が蓄積して炎症(肝炎)が発生している状態のことです。従来はNASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれていた疾患であり、不健康な食生活や運動不足による肥満・メタボリックシンドロームがMASHの大きな原因とされています。お酒を多く飲む人がアルコール性の脂肪肝や肝障害になるケースはよく知られていますが、お酒を飲まなかったとしても脂肪肝になるケースも増えています。
まずは生活習慣の改善に取り組みます。具体的には、1日3食の食事を規則正しく摂る、総摂取カロリーを適正範囲に抑えることによって、栄養のバランスを整えます。また週150分ほどの運動が推奨されており、例えば1日30分のウォーキングを週5回といった形で取り組むと良いでしょう。ここに筋力トレーニングを加えると、より代謝を上げられます。
またMASHを直接治療する特効薬はまだないとされています。糖尿病の薬など肝臓を守る効果が期待できるものもあるものの、基本は「生活習慣の見直し」とされていますので、専門医と相談しながら治療に取り組んでいくことが大切です。
MASH・NASHの治療市場は、近年急速な成長を遂げており、2029年には年間平均成長率(CAGR)29.8%で73億8,000万米ドルに成長すると予想されています。さらに、2030年までにはMASH治療市場全体は95億ドルを超える可能性もあるともいわれています。
このような急成長の背景として考えられているのは、肥満や糖尿病など代謝性疾患患者増加と早期の介入に加え、保険定期用範囲の拡大、肝疾患に対する意識の高まりなどが考えられます。
2024年3月には甲状腺ホルモン受容体ベータ作動薬のRezdiffra(レズディフラ)が米食品医薬品局(FDA)で承認されました。さらに、欧州委員会(EC)でも2025年8月19日に条件付き販売承認が付与されたと発表されています。このように、新薬の登場によって市場成長を加速しており、今後も競争が活発になっていくことが予想されています。
上記のように、MASH・NASHの治療市場は今後拡大していくと考えられています。その中で、創薬会社は数多くの実験や施策に取り組んでいる状況となっていますが、承認に向けた動きの中では、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められているといえます。
本サイトでは、技術力や専門性、実績を持つ非臨床試験受託会社を紹介していますので、委託先を探す際にはぜひ参考にしてください。
Galectin Therapeutics Inc.(NASDAQ:GALT)では、STAMマウス(代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD)やMASH、繊維化、肝細胞がん(HCC)に対する薬効評価に広く活用されているマウス)を⽤いて、線維化をターゲットとした薬効評価試験を行っています。ここでは、NASH肝硬変を対象として、フェーズ2試験が実施されています。
Can-Fite BioPharma Ltd.(NYSE American: CANF)でも、NASHを対象とした薬効評価試験を行っています。こちらの試験では、STAMモデルを用いており、肝繊維化ステージのNASHを対象として、フェーズ2試験が2021年12月から行われています。
こちらの論文では、肝生検でNASHの診断が確定し、肝線維化進展度が「F1B」「F2」「F3」いずれかの成人患者を対象とした第3相試験について記載されています。ここではNASHの治療薬として開発されているレスメチロム(肝指向性の経口選択的甲状腺ホルモン受容体β作動薬)を用いた試験における方法や結果などが述べられています。
試験においては、患者を「1日1回レスメチロム80mgを投与する群」「1日1回100mg投与する群」「プラセボ群」に分けており、52週後にNASH消失と肝繊維化の進展度について調査。その結果、レスメチロムの80mgと100mgの投与は、NASH消失と肝繊維化進展度の1以上の改善について、プラセボよりも優れていた、と結論づけられています。
新薬開発において、非臨床試験の質と効率は、臨床成功率やコスト、スピードに直結します。特に近年では、「ヒト外挿性の高いデータ」「国際申請に通用する信頼性」「創薬初期での的確な絞り込み」といったニーズが高まり、CRO(医薬品開発受託機関)選びにも戦略性が求められるようになりました。
本記事では、非臨床の目的ごとにおすすめの3社を厳選して紹介していきます。
特許技術による新規モデル作製(特に肝疾患・線維化)や未知の病態モデルの作成など、多彩な自社疾患モデルを保有しているのが特徴。
探索から臨床を見据えた、薬効評価プランを個別設計が行えます。
「STAM™マウス」という特許モデルを保有しており、ヒトのMASH/NASHからHCCに類似した経過を示し、病態進展が20週齢時の肝癌を発症させることが可能。
2週間程度で、間質性線維症や尿細管変性、さらに炎症細胞浸潤を含む多重の病態が現れることから、抗線維化薬の初期スクリーニングモデルとして有用です。
現時点で存在しない疾患でも、独自の病態モデル開発が可能。クライアントの創薬ターゲットに合わせて、新しい病態モデルの提案をします。
国際規制に対応したGLP試験体制のもと、発がん性等の長期毒性からFIHに向けた毒性・TK・安全性薬理試験まで一括受託。ICH準拠の確実なデータで、グローバル創薬のコストと手戻りリスクを削減します。
SEG I–III(生殖発生毒性)や2年間の発がん性試験をはじめ、長期間にわたる複雑な毒性評価にも対応可能です。
初回ヒト投与(FIH)をまでを見据えた、毒性・TK(毒性動態)・安全性薬理試験までを一括で設計・受託することができます。
FDA・EMA・PMDAなどの国際規制に対応したGLP試験体制を完備。ICHガイドラインに準拠した信頼性の高いデータを取得し、グローバルな申請を見据えた試験設計を提案します。
PXBマウスを用いたヒト外挿性の高い薬物動態・肝代謝評価と、LC-MS/MSによる高感度バイオアナリシスを提供。動態・肝毒性・安全性の統合評価体制で核酸医薬等の新モダリティにも対応します。
ヒト肝細胞を有するPXBマウス®を用いた薬物動態・肝代謝評価に対応。
ADMEや薬物相互作用においてヒト外挿性の極めて高いデータを取得でき、臨床試への移行をサポートします。
LC-MS/MSを活用した高感度なバイオアナリシスを提供。微量な血中濃度測定から、複雑な代謝物の同定、厳密な定量バリデーションまでを一貫対応します。
薬物動態・肝毒性・安全性の統合評価体制を構築し、核酸医薬等の新モダリティにも対応。肝代謝が課題となる化合物や臨床導出が控える案件でも、定量性と再現性に優れた信頼性の高いデータを提供。